【レースレポート】2021新潟県自転車競技選手権ロードレース弥彦大会【りゅーじ】

りゅーじです!

2021年5月30日、新潟県自転車競技選手権ロードレース弥彦大会へ出場してきました。

新潟県No.1レーサーを決める、通称「県選」。

結果は、優勝!!

いつか優勝したいと思っていたレースなので本当に嬉しいです。

自分から見た展開や思惑などレースレポートにまとめたので、もし良かったらご覧下さい。

レース概要

コースは新潟県西蒲原郡弥彦村の公道を使用した1周約7kmの周回コースです。

Stravaのセグメントではこんな感じ。

高低差を見ると分かるようにスタートから下って平坦を挟み、ちょいと登ってまた平坦を挟んで登りゴールです。

 

スタートゴール地点の登りは「弥彦村会館坂」と言われていて、約0.6km5.0%。

平均5%ながら後半にかけて勾配がきつくなる登りで、最大勾配は10%ほどとなります。

反対側の登りは「ぶどう山」と言われていて、約1.1km1.9%。

こちらはあまりきつい登りでは無く、ちょっとしたアップダウンという感じ。

 

自分が出場した男子競技者の部はこのコースを9周回の約63km。

弥彦村会館坂はもちろんポイントとなりますが、間に挟んだ平坦も横風が吹きやすいので油断出来ないコースです。

コースプロフィールには表れないキツさのあるコースという印象。

目標、展開予想、作戦

目標

目標は優勝

新潟県選手権が弥彦村のコースで行われるようになって今年で4回目で、過去の最高順位は8位。

昨年もコンディション的には狙える位置にいたと思いますが残念ながら中止でした。

ですので今年こそは!と意気込んでいました。

展開予想

今年は63kmとやや短いレース。(過去3回は90~100kmほど)

距離が短い分、序盤から強度の高いレース展開になるのでは無いかと予想していました。

レース後半(6~7周目以降)は10人程度の集団になり、そのままスプリントもしくは少人数での抜け出しかな、と言うところ。

 

個人的にチェックしていた選手はFin'sのアダッチーとKNTさん、サガミのフチタさん、食農大の檜村くんと阿部きゅん。

そしてチームメイトの田崎さん、大野さん、バンくん。

おそらくこのメンバーがアタックをしてレースの強度を上げるだろうなと。

自分は特にアダッチーを徹底的にマークするつもりでした。

作戦

チームとしての作戦はなんと 無し 。笑

事前の打ち合わせも全くありません。

そんなんで良いんかい!って感じですが、結局は最終局面にどれだけチームから多く残せるかってところがポイントです。

個人的な作戦はアダッチー徹底マーク。

レース後半にアダッチーが動いた時だけしっかりチェックして、それ以外は行かせても仕方ないくらいに割り切っていました。

そして出来れば少人数でのゴール勝負に持ち込みたい。

そんな思惑でした。

機材、ウェア、サプリなど

フレーム:S-Works Venge

タイヤ:S-Works Turbo RapidAir

ウェア:ONYONE 肚力 腱力

インソール:SOLESTAR ブラック

チューニング:WAKO'S チェーンルブ

ステッカー:C's design works

スマートトレーナー:Wahoo Kickr V5

サプリメント:つじトレーニングジム ミトロングV

メンテナンス:自転車の駅サガミ

数々の温かいサポート、本当に感謝致します。

レース展開

1~3周目

スタートは大野さんレオくんとともに前方で。

下ってリアルスタートが切られると、さっそく食農大の選手2名がスルスルと抜け出し。

それを大野さんがチェックして、集団は容認。

3人の逃げが出来ます。

すぐに食農大の選手が1名落ちてきて逃げは2名に。

大野さんは逃げるつもりでチェックした訳ではなかったのかもしれませんが、しばらく逃げ続けてくれました。

 

集団は逃げに送り込まなかったFin'sとサガミが牽引。

ちょいちょいKNTさんらのペースアップがありますが、そこはチームとしてしっかりチェック。

自分は常に前目にいて、KNTさんやアダッチーの動きを逃さないよう注意します。

 

3周目でKNTさんやアダッチーらによるペースアップがあり、一気に逃げとのタイム差が詰まります。

そして弥彦村会館坂で逃げを吸収。

そのままカウンター気味にバンくんがペースアップ。

この動きにまたも食農大の選手1名が反応し、2人逃げが形成されます。

バンくんも逃げを作ろうとしてペースアップした訳ではなかったのかもしれませんが、逃げが決まってからは踏み続けていました。

4~7周目

逃げのメンバーは変わりましたが、レースの構図は変わりません。

KNTさんやアダッチーが逃げを吸収するためにペースアップしますが、F(t)と食農大がしっかりチェックします。

そしてローテーションは回らないと言う、逃げに送り込んだチームとしての作戦をしっかり遂行して距離が消化されていきます。

自分は途中、弥彦村会館坂の登り切りから下りで踏んでみたりして周りの様子を伺います。

付いて来たのは檜村くんとKNTさん。

集団から3人で抜け出す形になりますが、まだ逃げに追い付くつもりは無いし、KNTさんを逃げに追い付かせたくないので自分は回りません。

大人しく3人で集団に戻ります。

登り切りから下りまで踏み続ければある程度抜け出せられるかもしれない、と言うのが分かっただけで充分です。

 

レースとしては2名の逃げが続いているので落ち着いていますが、とは言え集団でもちょいちょいペースアップがあって自然と人数が減っていきました。

そして7周目、アダッチーの漢牽きが始まります。

7周目復路の平坦でアダッチーがガンガンにペースを上げていきます。

しかも横風を利用してセンターラインギリギリを走り、後ろの選手にもダメージを与えようと言う走り方。

最大30~40秒ほどあった逃げとのタイム差が一気に縮まり、7周目完了の弥彦村会館坂で逃げの2名を捕えます。

さすが・・・めちゃくちゃ強い。

ですがこの時に思いました。アダッチーはここでアシストに徹したんだと。

アダッチーの漢牽きで逃げを吸収したタイミング、しかも弥彦村会館坂。

アダッチーを振るい落とすならここです。

自分で行こうかとも思いましたが、おそらく田崎さんも同じ事を思ってペースアップするだろうと読んでいました。

「そろそろ行こうぜぇ~」みたいな事言ってたし。笑

まさに「そろそろ行こうぜぇ~」の場面

 

と言う訳でやはり田崎さんがアタック。

しっかり同調してペースを上げます。

この動きでアダッチー含む数名が遅れ、集団は8名ほどに。

そしていよいよ最終局面へ。

8~9周目

8周目に入って弥彦村会館坂を下り切ると集団はまた落ち着きます。

そこでまたも食農大の選手がスルスルと抜け出し。

食農大は数的有利を活かして必ず逃げに送り込んでいて、とても良いレース運びをしていました。

これをまたまた大野さんがチェックして2人逃げが出来ます。

 

ぶどう山を平穏に終えて復路へ。

集団を牽く人がおらず逃げとの差は十数秒ほど。

もしかして大野さんこのまま良い感じに行くかも?

と思った矢先。

後ろから一気にアダッチーが追い付いてそのまま先頭に出て漢牽き開始・・・!!

思わず「うおっ!」と声が出てしまいました。

登りで遅れてからの復活からの漢牽き。

ここでも献身的にKNTさんのアシストに回っていました。

7周目と同じようにセンターラインギリギリをめちゃくちゃなハイペースで牽いて行き、逃げとのタイム差が一気に縮まります。

ここは番手にいてもなかなかに悶絶な強度でした。

本当に強い。

しかしここはしっかりチェック。逃げを吸収して弥彦村会館坂へ。

7周目と同じような展開です。

となると・・・、

やはり田崎さんが動きます。

自分がそれなりのペースで牽いていたところから一気に加速。

しっかり反応してピッタリと後ろに付けます。

この動きで田崎さんと2人で抜け出す事に成功。

後続はバラバラかつ結構離れていました。

いよいよラスト9周目。

下って平坦をローテーションします。

力で抜け出したので、普通にローテすれば後続に追い付かれることは無いだろうと思っていました。

最初は一気に後続と差を開きたいので強めに踏んで、ぶどう山はそこまで上げずにペースで通過。

復路の平坦に入ったところで後続とは25秒差ほど。

これはほぼ決まったな、と思いました。

あとは7割くらいのローテでも追い付かれる事は無いだろうと。

そう思って適度なペースでローテを促しますが、ここから田崎さんがまさかのローテ拒否。笑

なんでやねん!

り「まずは逃げ切りを確定させましょうよ」

と言いますが、

た「いやもう決まったっしょ~」

と流される。笑

ま、まぁええわい・・・と思いながら、

り「スプリントしますか?」

と聞くと、

た「まぁ勝つのは1人しかいないからね~」

と言う返事。

なるほどね、ガチンコ勝負と。

この最終局面へ来てチームメイトの自分にもしっかり勝つためにローテを拒否する田崎さんのクレバーさを体感しました。

ですが後ろではまたもやアダッチーが復活してKNTさん達を牽いていたようで、どんどん差が詰まってきます。

おそるべしアダッチー・・・。

それを見た田崎さんは、

た「確かに結構来てるな~」

と言ってようやくローテしてくれます。

残り既に1kmほど。

1~2回ナチュラルにローテして、いよいよゴール勝負へ。

 

最初に仕掛けたのは田崎さん。

残り500mを切ってロングスプリント気味に掛けてきました。

自分はスプリントがまだ行けそうな感じがあったので、ここを耐え切れば勝てる!と思い追随。

思ったよりも田崎さんのペースが上がらず、自分が前へ。

残り150mほどから踏み抜きます。

自分が前に出た時点で田崎さんがうなだれてペースが落ちたことを確認。

 

最後は勝利を確信してガッツポーズでゴール!!!

念願の県選優勝を果たすことが出来ました!!

リザルト、パワーデータ

リザルト

1位/26人出走(完走17人)

パワーデータ

1:40:26 AP220W NP271W

リザルトには表れないドラマ

ロードレースを走っていると当事者にしか分からない、リザルトには表れないドラマが多くあります。

今回の県選もそうでした。

自分が特に印象に残った出来事をお話したいと思います。

大野さんの逃げと声掛け

今回のレース、大野さんは前半と後半に2回も逃げてくれました。

大野さんは春先から尻上がりに調子を上げていて、本来であれば勝ちを狙いに行きたかっただろうと思います。

ですが、逃げはある程度自己犠牲。チームのための動きである事が多いです。

もちろん脚質や展開によっては「逃げの方が勝ちを狙える場合」もあると思いますが、今回はアシスト的な動きだったと思います。

事前に打ち合わせをした訳では無いのに、黙って逃げをチェックしてくれました。

しかもレース後半、こんな声を掛けてくれました。

お「りゅーすけ調子どう?」

り「最後までは残れそうです」

お「じゃあ脚溜めておいて良いよ」

り「はい」

その会話のあと、大野さんは2度目の逃げに乗りました。

自分がゴール勝負まで残れれば勝つ可能性がある、と言うのを信頼して託してくれたのかもしれません。

少なくとも自分はそう受け止めました。

結果、脚を溜めて勝負所でしっかり動くことが出来て、勝利に結びつきました。

大野さん、ありがとうございました。

バンくんの逃げと声掛け

バンくんも毎年このレースを勝ちに来ている選手の1人です。

今年はJBCFのE1で2日連続シングルリザルトを獲るなど、本当に強いです。

当然、優勝候補の一角でした。

なので中盤にバンくんが逃げた時は意外でした。

逃げ切る自信があったのかもしれないし、田崎さんや自分に託してくれたのかもしれないです。

そんなバンくんが逃げたのなら、絶対に無駄にしてはいけないなと思いました。

で、最終周に入る登りで田崎さんと2人で抜け出した場面。

折り返してバンくんとすれ違う時に、

バ「行け!行けー!!」

と声を掛けてくれました。

本来なら勝負に絡みたかった気持ちとか、登りで遅れた悔しさとか、色んな感情があったと思います。

しかもバンくんはまだ登っている途中だったので、普通はなかなか声を出せるものでは無いです。

そんな状況で抜け出したチームメイト2人に声を掛けてくれる。

本当に力になりました。

バンくん、ありがとうございました。

Fin’s勢の戦い

Fin’sは今回KNTさんとアダッチーの2人だけでした。

2人とも強くて、ともに優勝候補。

ですが数的不利は否めず、なかなか思うようなレース展開が作れなかったと思います。

そんな状況を打破するために、今回のレースではアダッチーが献身的な動きをしていました。

レース展開でも書いたように逃げを吸収するために漢牽きをしては千切れ、復活し、また漢牽き。

明らかに強かったです。

おそらくスタートゴール地点で観ていた方は、単にアダッチーの調子が悪いように見えたのではないでしょうか?

登りで遅れていく姿しか観ていないと思いますので。

ですが実際は献身的な動きを何度も繰り返したあとの走りなんです。

そしてKNTさんもその献身的なアシストに応えてしっかりと3位表彰台。

KNTさんも集団を牽いたり何発もアタックしたり、終盤ではやや遅れる場面がありながらも後続から追い付いての3位は本当に凄いです。

やはりこの2人の強さは尊敬します。

KNTさんのVLOGで県選の振り返りをしていたので、ぜひそちらもご視聴ください!

 

もえまぐろも女子優勝で夫婦アベック優勝!

女子レースではもえまぐろが優勝し、夫婦アベック優勝する事が出来ました。

自分はいつももえまぐろが優勝する姿を眺めているだけだったので・・・。笑

夫婦での優勝は喜びもひとしおです。

2人での振り返りをPodcastで公開していますので、以下のリンクからぜひご視聴ください!

まとめ

いつかは勝ちたいと思っていた県選を優勝する事が出来て本当に嬉しいです。

2年前の5月に亡くなった母親にも県選の優勝を見せてやりたかったので、まぁ天国で酒でも飲みながら喜んでいるでしょう。笑

レース展開的には自分がガンガンに動いて展開を作って勝った訳では無く、チームメイトと展開に恵まれたレースでした。

それでも冷静にレース運びをして勝負所でしっかりと動けたと思います。

来年はもっと自分から動いて展開を作っていくような、強い走りが出来るように頑張ります!

 

レースを開催して頂いた新潟県自転車競技連盟の皆さんをはじめ、運営・スタッフ・ボランティア・サポートの皆さんに改めて感謝申し上げます。

事前の準備も大変でしょうし、当日も朝早くから一日中コースに立って立哨等して頂きました。

自分達が思いっきりレースを走れるのは皆さんのおかげです。

本当にありがとうございました。

 

そして、いつも支えてくれるもえまぐろに感謝。

夫婦で優勝出来て本当に良かった。

ありがとう!

 

F(t)麒麟山Racingは最高のチームです!

写真をたくさんの方々から撮って頂きました!

素敵な写真をありがとうございました!

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