スポーツと月経の関係、ピルがパフォーマンスに与える影響とは?
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こんにちは!女医サイクリストのもえマグロです(*^^*)

前回に引き続き、「スポーツと月経」をテーマにお伝えしていこうと思います。

今回は低用量ピルと続発性無月経についてです。

 

 

ピルって飲んだ方がいいのかな?気になる体への影響や副作用、かかる費用について説明していきます。

また、後半は無月経の原因や病院に行くタイミングなどをご紹介していきます。

 

 

低用量ピルとは

「低用量ピル」は1日1回、毎日続けて内服する女性ホルモン剤です。内因性性ホルモンの濃度を制御することにより、規則正しい28日間の月経周期をもたらしてくれます。

「経口避妊薬」と訳されるため、避妊をするためのお薬というイメージがあるかもしれませんが、アスリートにとっては目標とする試合に向けて最高のコンディショニングで臨めるよう、月経をずらすために用いられます。

日本ではなぜか飲んではいけないという先入観がありますが、海外では多くのアスリートが使用しています。

メリット

  • 生理痛が軽減します
  • 月経の出血量が減り、貧血になりにくいです
  • 月経の日を調節できるため、大事なレースの日に月経が重ならないようにできます

大事なレースを月経の前後どちらに設定するかですが、月経後1週間のエストロゲンが高い時期は、持久力のパフォーマンスがあがる研究結果もありますので、月経後にレースがくるように調節すると良さそうです。

これについてはこちらの記事も参考にしていただければ幸いです。

女性アスリート向け!スポーツと月経の関係、対策やおすすめ市販薬は?

パフォーマンスに与える影響

低用量ピルを服用すると、最大酸素摂取量(Vo2max)が5-15%と大幅に減少してしまう。

(引用文献:International journal of sports physiology and performance 4(2):151-62 · July 2009

ドキッとする事実ですね。ただ、数値上は大幅に減少するようですが、トライアスリートを被検者としてタイムを測定した研究によるとタイム自体は悪くなってはいなかったそうです。

反対に、低用量ピルを内服することにより、運動能力が低下することはないと報告している研究もあります。

 

また、JISSのアンケートでは低用量ピルを使うことにより、41%の選手で「コンディショ ンが良くなった」30%の選手で「パフォーマンスが良くなった」と答えているようです。

(引用文献: Health Management for Female Athletes Ver.3)

月経痛の改善や規則的な月経周期により精神面が安定するのが要因でしょうか。

 

低用量ピルのパフォーマンスへの影響は、科学的にも異なる報告があるので、さらなる研究の必要があるでしょう。

副作用

一般的には体重増加や肌荒れなどが挙げられます。

身体に合う合わないで、出てくる副作用は人それぞれです。

内服し始めは、 体がむくんだり、体重が増えたりする人もいますが、飲み続けていると2~3か月ほどでほとんどの人が元の体重に戻ります。大切なレースの前に始めるというよりは最低3か月前から導入するのが良いでしょう。

医師の指導の上で、体に合ったものを服用すれば比較的安全に使えるお薬です。

コスト

健康保険が使えるものや、自己負担のものがありますが、いずれも月3000円くらいです。

続けることが大切なお薬で、選手としてコンディショニング目的に使うならば、基本的には妊娠を希望するときまで飲み続けるようなお薬です。

定期的な診察や血液検査などを行いますので、年間4万円くらいの出費になりそうです。

まとめ

低用量ピルは規則的な月経周期と月経に伴う症状を緩和をもたらします。

低用量ピルのパフォーマンスへの影響については科学的にも矛盾する考え方があります。

医師の指導の上で服用すれば比較的安全に使用できますが、自分にあったお薬を見つけることや初期の副作用が落ち着くのに数か月かかることがあるので、大切なレースの3か月以上前(オフシーズン)から使い始めるのが良いでしょう。

続発性無月経とは

月経が開始した後に停止することです。医学的には3か月以上月経がこないことで診断します。

原因

原因は多岐にわたりますが、アスリートの場合は以下の4つが挙げられます。

  • ストレス
  • 激しい運動
  • 低エネルギー摂取
  • 体脂肪の減少

ストレスや過剰な運動が視床下部に及ぼす影響が原因でホルモンバランスが崩れて月経が停止することがあります。

運動量に見合った食事が摂取出来ておらず、エネルギー不足が原因のこともあります。

また、これらが組み合わさって無月経になっている場合も多くあります。

自転車競技のような持久系アスリートは無月経のリスクが高いのです。

とはいえ、強度と頻度が高い方がなりやすいと言われていますが、運動に伴う無月経はアスリート特有のものではありませんので、ホビーレーサーであっても無関係ではありません。

わたしも自転車を始めたばかりのとき、レース前に生理がかなり遅れたときがありました。激しい運動はしていなかったですが、レースへの緊張感で無自覚のうちに精神的なストレスを感じてしまっていたのだと今になって振り返ります。

無月経が続くと・・・

無月経はアスリートだからと言って容認していもいい問題ではありません。

一番問題になるのは骨粗鬆症(こつそしょうしょう)だと思います。

健康な骨(左)とすかすかになった骨粗しょう症の骨(右)

健康な骨(左)とすかすかになった骨粗しょう症の骨(右)

無月経に伴うエストロゲン欠乏状態が続くと、若い女性においても骨量低下につながります

月経周期のない間、女性は1年に骨密度の2%以上を失う可能性があると推定されています。この骨の損失は不可逆的です。骨密度が低いと疲労骨折を含む骨折のリスクが高まり、アスリートを数週間から数ヶ月間悩ませたり、選手生命を奪いかねない結果となります。

6か月以上無月経の女性アスリートはすべて、骨密度テストを受ける必要があると言われているほどです。
よって、早期からの介入が必要となります。

医者に行くタイミング

  • 3か月以上、月経が止まっている
  • 15歳になっても初経が来ていない
  • 1年の月経回数が9回未満
  • 月経のパターンが急に変わった

多くの場合、トレーニングの量を減らし食事を増やすことで症状は改善しますが、上記の症状がある場合は婦人科への受診をお勧めします。

婦人科では「食事を増やす、運動を変更する、ストレスを減らす」などの指導をされると思います。これらを実践すれば月経周期がすぐに再開するはずですが、人によっては無月経は6ヶ月から12ヶ月も続くことがあります。

トレーニング量を減らしたり、体重を増やすなど、これまでやってきた努力を無駄にするようなことに耐えるのは本当に難しいかもしれませんが、自分自身の体を守るために正しいことをしていることを忘れないでください。

まとめ

3か月以上月経がこないことを無月経と言います。

ストレスや激しい運動が原因のこともしばしばあり、持久系アスリートはそのリスクが高いです。

無月経が続くと骨粗鬆症のリスクが高くなり、その骨の損失は取り返しがつかないものとなります。

早期の介入が必要ですので、身近にいる頼れる女性コーチや医師がいれば相談してください。

もちろん、わたしでも大丈夫ですよ♪

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