おきなわ優勝
photo:Satoru.Kato

 

みなさんこんにちは!もえまぐろです。

今回は、2017年のツールドおきなわ市民レディースで私を優勝に導いてくれたりゅーじメニューをご紹介します。

その年のcyclowiredさんの記事です。

2位じゃダメ。冷静なゴールスプリントで手にした憧れのレースの勝利 by cyclowired.jp

続く不調を脱してヒルクライムに強くなりたい!

その年は登りの感触が悪くヒルクライムレースで思うように走れず、原因不明の体調不良も続いていて状態が上がりませんでした。

7月、JBCF(実業団)石川サイクルロードレースでの不甲斐ない走りが決定打となり、

『今の状況を脱したい。今後ヒルクライムレースが続くから登りに強くなりたいんだけど、どんなトレーニングをすれば良いかな?』

と旦那さん(当時は結婚していませんでしたが笑)に相談したら、

『俺で良ければメニュー作るよ』と言ってくれてたことがキッカケです。

 

なので、ヒルクライム向けのメニューとしてもおすすめですし、ロードレースに対応する地脚を作るのにも適しています。

 

また、私はフルタイムワーカーの医師です。

平日は毎日仕事で忙しく、トレーニングにあまり時間をさけません。

その年は平日に無理して外練をして疲労を溜め込んだりしていたので、

平日のトレーニングは毎朝1時間』と決めて、その1時間を最大限に活用するメニューを考えて貰いました。

同じようなフルタイムワーカーの社会人レーサーの方にもおすすめ出来ます。

それでは、りゅーじメニューの全貌です!

りゅーじメニューの全貌

もえまぐヒルクラ特訓メニュー

ベース:常にヒルクラを意識したポジション、ペダリング、ケイデンス、負荷で行うこと。

体幹の安定、ハムケツ主体のペダリング、軽負荷高回転に甘えない。

カカトをケツに近付けるような意識、8時~12時あたりをカカト引き付けて持ってくる(カカトは上がるよりむしろ地面と平行くらいの意識)、踏むよりグリグリと回す。

月、流し、3本ローラーでOK

火、アップ10分、20分95%、10分レスト、15分100%、5分クールダウン

水、アップ10分、10分100%(頑張れれば105%くらいまで上げてOK)、あとは自由に

木、アップ10分、20分95%、10分レスト、15分100%、5分クールダウン

金、アップ10分、5分115%~120%×2(レスト5分~10分、しっかり回復して2本目頑張れるように)、あとは自由に

土日、チーム練orだいろ練

※仕事の状況、疲労の具合によっては迷わずレスト日にすること。無理は禁物。

当時の文章そのままです。

前書きと曜日ごとに解説していきますね。

前書き

ベース:常にヒルクラを意識したポジション、ペダリング、ケイデンス、負荷で行うこと。

これはヒルクライムを意識したメニューなので、ローラー台でも実戦に近い形を取ろうということです。

 

体幹の安定、ハムケツ主体のペダリング、軽負荷高回転に甘えない。

意識付けですね。ヒルクライムのように1時間FTPレベルの強度で走るには、臀筋とハムストリングスの筋肉をしっかり使えるようにならなければいけません。

軽負荷高回転に甘えないというのは、当時の私がクルクル回し過ぎて踏めなかったからです(笑)

 

カカトをケツに近付けるような意識、8時~12時あたりをカカト引き付けて持ってくる(カカトは上がるよりむしろ地面と平行くらいの意識)、踏むよりグリグリと回す。

これも意識付けで、こうすると上死点の通過と入力が早くなります

人によって正解は違うと思いますが、参考になればと思います。

月曜日

月曜日は流しです。オフでもOK。

乗るなら3本ローラーで軽く汗をかく程度に抑えます。

これは、土日の疲労を抜くためです。

火曜日からまたメニューが始まるので、そこでしっかりメニューをこなせるよう月曜日はしっかり休みます。

3本ローラーなのは、軽く流すだけでもペダリングの練習になるからです。

火曜日、木曜日

火曜日と木曜日は両日とも、

アップ10分-20分FTP95%-10分レスト-15分FTP100%-5分クールダウン

です。

つまり20SST15FTP走の組み合わせです。

狙いはもちろんFTPの向上、ベースの構築です。

微妙に違うメニューの組み合わせなのがミソで、20分FTP95%を頑張って耐えると、次の15分100%FTPは少し強度が上がるものの時間は短くなるため、気分的に頑張れます。

水曜日

水曜日は

アップ10分-10分FTP100%(頑張れれば105%くらいまで上げてOK)-フリー

です。

火曜日と木曜日に比べて軽いメニューです。

意識としてはトレーニングの維持程度でOK

火曜日のメニューをこなしていると、10分FTP100%1本は凄く楽です。

なので、頑張れれば105%まで上げてOKという注釈がついています。

その週の調子によって調整します。

金曜日

金曜日は

アップ10分-5分FTP115%~120%×2(レスト5分~10分。しっかり回復して2本目頑張れるように)-フリー

です。

つまり5vo2max2です。

目的はvo2maxの刺激入れです。FTP走ばかりではなく、vo2maxの刺激を入れることでピラミッドの『上からの引き上げ』を狙います。

LSD〜FTP走レベルまではピラミッドの『下からの押し上げ』というイメージです。

このトレーニングを入れておくことで、FTP95~100%の強度が楽に感じるようになります。

土曜日、日曜日

土曜日と日曜日は、

チーム練orだいろ練

です。

チームのみんなと走ることで疑似レース的な強度を体に覚えさせます。

また、「だいろ」とは新潟にある5.5km8%ほどの登りです。

乗鞍6連覇の村山利男さんや、強豪ホビーレーサーの田崎友康さんも通う登りです。

そこで実際に登りの感触を確かめに行きます。

私は登るのに23~25分ほどかかるので、ちょうどFTP95~100%くらいの強度です。

注意書き

りゅーじメニューには注意書きがあります。

※仕事の状況、疲労の具合によっては迷わずレスト日にすること。無理は禁物。

これは全くそのとおりで、無理をするとどんどん調子を落とします。

社会人レーサーはSSS(仕事ストレススコア)も自分の調子に影響することを考慮しておかなくてはいけません。

無理してメニューをこなすのではなく、自分の体の声をよく聞いて調整してください。

調子が悪ければ強度を5%下げるとか、そういったやり方もOKです。

大事なことは続けること。地道に努力を続けましょう。

徐々に調子が上がり、1ヵ月後には復調。そして、、、

りゅーじメニューを始めたのが7月20日頃。

7月29日・30日の矢島カップ(鳥海山ヒルクライム)、8月6日の枝折峠ヒルクライムではまだ感触はイマイチでした。

都道府県対抗

しかし徐々に調子が上がり、8月26日の全国都道府県対抗ロードレースでは8位入賞

9月3日の新潟ヒルクライムでは20分以上のパワー値を大幅に更新して女子総合1位に!(招待選手としてオープン参加だったため表彰対象外でしたが)

自分史上最高に登れる状態になりました。

勢いそのままに10月29日の高石杯第52回関東地域自転車道路競争大会では優勝!

高石杯

そして11月12日、シーズン最大の目標であったツールドおきなわ市民レディース50kmで優勝することが出来ました

まとめ

シーズン前半の不調からここまで調子を上げてくれて、ツールドおきなわで優勝出来たのは間違いなくりゅーじメニューのおかげでした。

もちろん、この記事を読んで頂いた皆さん全員に当てはまる訳ではありません

ですが、私のようなフルタイムワーカーで、平日は1時間ほどしかトレーニングにあてられない方にはオススメ出来ると思います。

少しでもみなさんの参考になればと思います。

 

りゅーじは実力はまだまだですが(笑)、人の状態をしっかり把握することや、トレーニングメニューを作ること、ポジションやペダリングの助言は上手なのかもしれません。

今でもそういったことは相談しています。

もしご質問やご意見がありましたら、お気軽にコメントして下さいね。

最後まで読んで頂きありがとうございました!

おきなわ優勝2
photo:Makoto.AYANO

 

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