ロードバイクにおける糖質の重要性と糖質制限のリスクを解説!

みなさんこんにちは!

ロードバイクのような運動競技における糖質の重要性って考えたことはありますか?

糖質はエネルギーだとか、ハンガーノック(低血糖)はヤバいとか、何となくは知っているかと思います。

ですが最近は糖質制限によって身体をケトン体質にして、脂質からエネルギーを使えるようにする。なんて話もあります。

そのへんは賛否両論あると思います。

だって、糖質制限辛くないですか?

ご飯とかパンとかラーメンとか食べたいじゃないですか。

アイスとかアイスとかアイスとか!(もえまぐ)

それなら普通に糖質を摂りながらしっかりトレーニングすれば良いかなぁと思います。

ですが、ケトン体質化については興味が無いわけでは無いので、今後試してみようかなと思っています。

ただ、ケトン体質化するにしても、まったく糖質を摂らないというわけではありませんから。

ということで、今回は糖質の重要性について一般論的な部分でお話したいと思います。

糖質はエネルギー源!

糖質とは

糖質は、人の生命維持の欠かせないエネルギー源であり、スポーツにおいても主なエネルギー源となります。

脳の活動も、糖質と酸素を大量に消費しています。脳は全身の臓器のなかで、糖質と酸素の消費量が一番多いそうです。

勘違いして欲しくないのは、糖質・脂質・タンパク質のどれもがエネルギー源であり、どれも重要ということです。

そのなかでも糖質は、スポーツにおいて重要ですよというお話です。

 

糖質は炭水化物とも言いますが、炭水化物=糖質+食物繊維です。

食物繊維は体内に吸収されず、エネルギー減にはならないため、エネルギー源としての炭水化物は糖質、ということになります。

 

糖質の良いところは、摂取して直ぐにエネルギーになるという即効性があるところです。

なのでトレーニング中やレース中に摂る補給食は、糖質たっぷりのものになります。

エネルギーという観点だけでみれば、別に脂質やタンパク質を摂っても良いはずですよね。

そうならないのは、糖質に即効性があるからです。

エネルギー代謝の話

パワー

エネルギーエネルギーと言っていますが、そもそもエネルギーって何なんでしょう?

ちょっとややこしい話をしますね。

筋肉を動かすのにはエネルギーが必要で、そのエネルギーの元は「ATP(アデノシン3リン酸)」と言う物質です。

このATPを分解する過程でエネルギーが生まれ、筋肉を動かすことが出来ます。

体に蓄えられているATPを分解しながらエネルギーを生み出すので、当然、ATPを補充していかなければなりません。

ATPを補充するために人は、「エネルギー代謝」という機能を持っています。

エネルギー代謝には3種類あって、

・ATP-CP系

・解糖系

・酸化系

です。

エネルギー代謝には3つの種類があります。あ、別に用語とかは覚えなくて良いですよ。

ただ、そういうものがあるんだなと思ってください。

簡単に説明します。

ATP-CP系

最も早くATPを産生することが出来るエネルギー代謝です。

その代わり、長時間代謝し続けることは出来ません。

10秒程度までの、ごく短い時間の超高強度な運動において、このエネルギー代謝が使われます。

自転車でいうと瞬間的なアタックとか、ゴールスプリントとか。瞬発系になります。

超高強度な運動ではすぐにATPが枯渇してしまうので、このエネルギー代謝によって素早く産生して補充します。

解糖系

解糖系は、10秒~60秒くらいの高強度な運動時に使われるエネルギー代謝です。

自転車でいうとアタック後の維持とか、ロングスプリントとか。

解糖系は、ATPの産生に筋肉中のグリコーゲン(糖質)を分解して利用します。

自転車競技って、勝負所ではこのへんの強度で走ることが多いですよね。

ですので、勝負所でしっかり爆発力を出せるよう、糖質をしっかり補給しておかなければなりません。

また、筋肉中のグリコーゲン(糖質)を分解する時に、乳酸が出来ます。

1分くらいモガくと足にぶわーっと乳酸が溜まる感じ、ありますよね。

いや、あの感覚が乳酸なのかは分からないんですけど(笑)

乳酸って疲労物質と思われがちなんですが、エネルギー代謝に使われるんですよ。

なので乳酸は疲労物質ではありません。

酸化系

これは長時間低強度の運動時に使われるエネルギー代謝で、ATP産生の速度は遅いです。

自転車でいうと回復走とかのL1領域から、VO2MAXレベルのL5領域まで、幅広く使われていますね。

もちろん、どの強度の運動でも一つの代謝系だけが使われているわけではありません。

そのバランスが、強度と時間によって変わっていくということです。

酸化系は「有酸素系」とも言われ、文字の通り、酸素と乳酸と脂質を使ってATPを産生します。(ATP-CP系と解糖系は「無酸素系」です。)

LSDが減量に有効、とかいう話はここから来ています。

また、ケトン体質の話は、この酸化系のエネルギー代謝の割合を増やそうという話です。

つまり、走っている時に糖質より脂質を使える体にしようということ。

そうすることで糖質の補給が少なくて済むので、スタミナが付くという感じですね。

ですが結局、脂肪を燃やすのにも筋肉中のグリコーゲン(糖質)を使うし、グリコーゲン(糖質)が枯渇すると筋肉を動かせなくなるので、糖質の補給は必須ということです。

ハンガーノックのリスクもありますしね。

なぜロードバイクにおいて糖質が重要なのか

ロードバイク

今までのエネルギー代謝の話でも、なぜ糖質が重要なのかは何となく分かりましたでしょうか?

もう少し噛み砕いていきたいと思います。

長時間の運動=エネルギー消費量が増える=エネルギー補給が必要

もうそのまんまですね(笑)

ロードバイクって普通に100kmとか走るじゃないですか。

長いと200km、もっといくとブルベでは300km、600kmとかもありますよね。

時間にすると3~4時間走るのはザラで、10時間とか20時間も走ることがあるわけですよ。

普通、そんな時間運動するスポーツってあまり無いですよ。

野球とかサッカーとかテニスとかの球技は、試合時間が長くてもずーっと運動し続けている訳ではありませんし。

陸上競技のマラソンでも2時間ですよね。

まぁもちろん、同じくらい運動し続ける競技はありますけどね。

ウルトラマラソン・ウルトラトレイル系の、ちょっと頭おかしいレースとか(笑)

ただそういうウルトラ系の競技ってなかなか普通の人がちょっと努力したくらいじゃ走り切れないですよね。

自転車の凄いところは、普通の人でも簡単に100kmとか200km走れちゃうところです。

それだけ簡単に長時間の運動が出来てしまうので、エネルギー消費量はそりゃ増えます。

エネルギー代謝のところでお話した、筋肉中のグリコーゲン(糖質)を補給しなければいけないという点もあるし、カロリー消費量も半端じゃないので、カロリーを摂らなければなりません。

カロリーなら何でも良いのかってことでもなくて、走りながら肉食べたり魚食べたり(脂質・タンパク質の補給)って難しいですよね?

それに脂質・タンパク質は分解・吸収に時間が掛かります。

そういったところから、運動中の補給は糖質がベスト(マスト)になります。

糖質が枯渇すると筋肉(タンパク質)を分解し始める

筋肉

エネルギー源である糖質や脂質が枯渇すると、筋肉(タンパク質)を分解し始めます。

つまり筋肉が落ちるということです。

せっかく頑張ってトレーニングしても、糖質の補給が出来ていないと筋肉が落ちるんです。

筋肉量を落としてでも減量したいなら、それも良いかもしれませんが、長い目で見るとトレーニングの効果を最大限にして強くなっていくためにも、筋肉は落とさない方が良いですよね。

ハンガーノック(低血糖)のリスク

ハンガーノック

糖質が枯渇すると、ハンガーノック(低血糖)にもなります。

症状としては、

・体がだるく、力が入らない

・集中力が低下する

・冷や汗、動悸、震え、めまいが起こる

などなど。

低血糖が進行すると、意識障害といって意識を失うこともあります。

そしてそれが長時間続くと、脳に後遺症が残ったりします。

救急現場でもみられる症状です。

対処法は、当然ながら糖質の補給です。

パンやおにぎりのような消化吸収に時間が掛かる物ではなく、砂糖そのものや、果物(フルーツジュースとか)、はちみつなど吸収の良い物を摂りましょう。

カーボローディングについて

人が体に貯蔵できるグリコーゲン(糖質)は、約350gと言われています。

レースの日程に合わせて、なるべく糖質の貯蔵量を増やしておこうというのが、カーボローディングの考えです。

カーボローディングの主流は、レースの4~5日前から練習量を減らしていき、食事における総カロリー量のうち糖質の割合を増やしていくという方法です。

具体的には、食事のカロリー量の70%を糖質から摂ると良いそうです。

たとえば体重60kgの人だと、400g(1600㎉)くらいでしょうか。

お茶碗1杯のご飯が約150gと言われているので、一日3杯くらいご飯を食べようということですね。

過剰摂取も良くない

太る

運動において糖質不足は良くありませんが、もちろん過剰摂取も良くないです。

過剰摂取で起こることとしては、

・太る

・集中力が低下する

・糖尿病のリスクが増える

などなど。

糖質を摂ると、血糖値が上がります。

血糖値が上がると、インスリンという血糖値を下げるホルモンが出ます。

インスリンの作用で血中の糖質を肝臓や筋肉に運んだりすることで血糖値が下がります。

ですが、糖質を過剰摂取すると、肝臓や筋肉に運びきれなかった分の糖質が脂肪に変わって体に蓄えられるのです。

これが、糖質の過剰摂取で太る理由です。

あくまでも必要な分を摂取するということが大切なので、過剰摂取には気を付けましょう。

糖質を摂取するタイミング

ごはん

トレーニング前・レース前

食事は、トレーニングやレース開始の3~4時間前までに摂ることが理想です。

消化・吸収にそのくらい時間が掛かるので、直前に摂取しても良くないです。

トレーニングであれば、ぶっちゃけそこまで気にせず、1時間前とかに食べても良い気がします。

レースであれば、なるべく3~4時間前に食事を摂り、その後レース開始まではジェル等で少しずつ貯めていく方が良いでしょう。

トレーニング・レース中

空腹感を感じる前に補給食を摂りましょう。

何分おきとか、ある程度決めても良いと思います。

また、高強度で走ったあとは直ぐに補給した方が良いです。

エネルギー代謝のところでお話したように、高強度な運動は筋肉中のグリコーゲン(糖質)が消費されますので。

L4の20分走とか、L5の5分走とか、L6のインターバルとか、高強度になるにつれて補給が大事になります。

トレーニング・レース後

すみやかに回復するためには、できるだけ早く糖質を補給することが重要です。

グリコーゲン(糖質)の貯蔵スピードは、運動直後が一番早く、その後1時間くらいは貯蔵が持続します。

ですので、プロテインだけではなく、糖質も運動直後に補給しましょう。

まとめ

ごはん

いかがでしたでしょうか?

ロードバイクのような長時間の運動における糖質の重要性についてお話させて頂きました。

冒頭にもお話したように、糖質の摂取については色んな考え方があります。制限する方が良いとか、いややっぱり運動には大事だとか。

しかし私たちは、糖質制限の難しさ等を考えると、普通に糖質を摂りながらしっかりトレーニングするという事が一番かなと思います。

摂取不足、過剰摂取のどちらにも気を付けて、適切な量を適切なタイミングで摂りましょう。

何かご質問やご意見等ありましたら、お気軽にコメントしてください。

最後まで読んで頂きありがとうございました!

 

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